【第2回】
◆集中するあまり、エコノミー症候群を発症
Nさん 聞き分けではないですけど、私は話者の人数が多いときは、なるべく集中して一気に起こすようにしています。途中でやめると誰か分からなくなってしまうので、この時間に集中してやる、みたいに決めて通しでやることが多いです。そうしないと、「最初にしゃべった人は誰だっけ?」ということになるので。
Kさん でも私、それでエコノミー症候群を発症して3週間入院したことがあるんです。そのときは朝6時から夕方4時くらいまでずっと座りっぱなしでした。
ある会議で、やっぱり話者の判別が難しかったのです。これは席を外したらアウトだと思っていたから、手元にコーヒーとクッキーを置いてやっていました。なんとか納品して、さてシャワーでも浴びようかと思ったら、目の前がいきなり真っ暗になって倒れてしまったんです。
なにか息苦しいなと思って、近くに住む義理の姉の付き添いで病院に行ったら、「即入院しましょう」と言われて3週間も。10時間以上座りっぱなしだったのがいけなかったのでしょうね。
(座りっぱなしは危険!)
Iさん エコノミー症候群って、3週間も入院するんですか。
Kさん 私の場合、深部静脈瘤が肺に飛んだんです。それで息がしにくくなったみたい。「あした締め切りの納品があるので帰らなきゃいけないんです」と言ったら、ICUの先生が「しばらく帰れませんから」って。
Iさん 怖い。
Nさん 大変でしたね。たぶん、フットペダルもよくないんでしょうね。
Iさん あれ、右足で踏んだり、左足で踏んだりしています。
Nさん 私も同じ。たまに替えないと、足がパンパンになる。
Kさん 貧乏ゆすりをすると、血液の循環にいいと聞きましたよ。
(真ん中がフットペダル。音の再生・停止を足で操作します)
Nさん 座るのもけっこう体力が要りますよね。
Kさん 私は昔からそうですけど、集中しないとできないんですよ。あまり席を立ちたくないの。時には席を立ったほうがいいけれど、途切れてまた新しい気持ちになることで、話から外れてしまうような気がして。こんなことしなくても、皆さん良い原稿を書いていらっしゃるけれど、私はわりあい集中しないと駄目なタイプなので。
――そのあたりの自己管理が難しいですね。
Iさん 私はもっと座ってやっていたいと思っても、あえて別の用事を入れて立つようにしています。
Nさん 体のためにはそのほうがいいですね。
――それがよい原稿を作る秘訣なのかもしれませんね。
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